独立な2つの正規分布を足し合わせた時に、その確率変数も分布も正規分布になることを正規分布の再生性や、和の公式といったりすることがあります。
今回は、この正規分布の再生性・和の公式について、成り立つ式をおさらいする同時に、直接計算することでこの性質を証明します。
正規分布の再生性の公式
まず、単純のため1次元の正規分布で考えます。このとき、正規分布の和について下記の性質が成り立ちます。
2つの独立な確率変数$X_1 \sim \mathcal{N} (μ_1, \sigma_1^2)$、$X_2 \sim \mathcal{N} (μ_2, \sigma_2^2)$について、その和の分布$X_1 + X_2$も正規分布になり、その平均・分散は下記で与えられる。
\begin{equation} X_1 + X_2\sim \mathcal{N} (μ_1 + μ_2, σ_1^2 + σ_2^2) \end{equation}
つまり、2つの独立な正規分布を足し合わせた時、その和の分布も正規分布になり、新しい平均$\mu$と新しい分散$σ^2$は次のようになる。
μ = μ_1 + μ_2 \\ σ^2 = σ_1^2 + σ_2^2
正規分布の再生性の証明
正規分布の再生性を証明します。正規分布の定義式はこのようになっています。
\begin{equation} \mathcal{N}(x | \sigma, μ ) = \frac {1}{\sqrt{2 \pi \sigma^2}} exp \left\{- \frac{(x - μ)^2}{2 \sigma^2}\right\} \end{equation}
ここで、$X_1$と$X_2$を次のように表現します。
\begin{equation} X_1 \sim \frac {1}{\sqrt{2 \pi \sigma_1^2}} exp \left\{- \frac{(x - μ_1)^2}{2 \sigma_1^2}\right\} \end{equation}
\begin{equation} X_2 \sim \frac {1}{\sqrt{2 \pi \sigma_s^2}} exp \left\{- \frac{(x - μ_s)^2}{2 \sigma_s^2}\right\} \end{equation}
すると、$X_1 + X_2$の和の分布は、
\begin{equation} \begin{split} X_1 + X_2 \sim \dots \end{split} \end{equation}
実はこの分布は単純に足し算するだけではも止まりません。
一般に、確率分布$X$, $Y$があった時、$X+Y = 1$という制約が存在するため、単純に足し算するだけでは求めることができません。この確率分布の足し算をする方法については、多少複雑になるので、後日追加したいと思います。