直行行列は$n$次正方行列 $A \in R^{D \times D}$において、$ A^T A = A A^T = E_D $ (ただし,$E$は、$E_{D} \in R^{D \times D}$を満たす単位行列)を満たす正方行列のことを意味します。
本ページでは、直行行列における定義と性質をまとめ、さらに機械学習や統計学との関わりついてまとめていきます。
本記事の内容
- 直行行列の定義
- 直行行列の性質
- 機械学習や統計学で登場する直行行列について理解
直行行列の定義
まず直行行列の定義についてはこのようになっています。
直行行列の定義
正方行列$A$( $A \in R^{D \times D}$)が次の性質を満たす時、Aを直行行列とする。
\begin{equation} A^TA = A A^T = E_{D} \end{equation}
ただし、$E_{D}$D次の単位行列である。
ここで、$A^T$は行列$A$の転置行列である。
ここで、逆行列の定義は下記のものであることから、
\begin{equation} AA^{-1} = A^{-1}A = E \end{equation}
(1)と(2)より、
\begin{equation} A^T = A^{-1} \end{equation}
を満たす行列$A$を直行行列と呼ぶ。という定義もある。
直行行列の性質
ここでは、直行行列の性質についてまとめていきます。
直行行列の性質として、以下の性質は実際上非常に多く使うことになります。
直行行列の性質まとめ
行列$A$, $B$をn次の直行行列とするとき、$A$, $B$において次の性質が成り立つ。
- 行列式 $det(A) = ± 1$
- $A^{-1}$は直行行列になる
- $A^{T}$は直行行列になる
- 行列の積 $AB$は直行行列になる