論文やレポートを書いていると、「この変数はこう定義する」と宣言したい場面が必ず出てきます。そのとき普通の $=$ を使ってしまうと、「等しいことを主張している」のか「定義している」のかが読者に伝わりません。この記事では、定義することを明示的に表す記号 $:=$、$\equiv$、$\triangleq$ を中心に、LaTeX/KaTeXでの書き方をリファレンス形式でまとめます。
なぜ区別が重要なのかは単純な例でわかります。機械学習の論文で
$$ \mathcal{L}(\theta) = \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N \ell(y_i, f_\theta(x_i)) $$
と書かれていたとき、これは「損失関数 $\mathcal{L}$ を右辺で定義する」のか、「$\mathcal{L}$ が右辺に等しいと主張する(導出結果)」のかが曖昧です。$:=$ を使って
$$ \mathcal{L}(\theta) \mathrel{:=} \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N \ell(y_i, f_\theta(x_i)) $$
と書くと、「これは定義である」という意図が一目で伝わります。
応用先はふたつあります。ひとつは機械学習・最適化の論文。パラメータ空間、損失関数、勾配の略記を $:=$ で宣言する流儀が標準化しています。もうひとつは工学・制御系の教科書。状態変数や伝達関数を $\triangleq$ で定義する慣習があります。
本記事の内容
- やりたいことから引ける逆引き早見表
- $:=$ の書き方とスペーシング問題の解決法
- $\equiv$ の3つの意味(定義・合同・恒等)の区別
- $\triangleq$、$\overset{\text{def}}{=}$、$\doteq$ の使い分け
- 関連する「意味を持つ等号・関係記号」の使い分け表
- KaTeX互換表(本ブログで使える記号の一覧)
- よくある間違いとその修正

この図が記事全体の核心を一言で表しています。左の $=$ は「左辺と右辺が等しい」という主張(証明・計算の結果として得られる)、右の $:=$ は「左辺を右辺で定義する」という宣言(証明は不要、取り決め)です。この違いを記号レベルで明示できることで、数式の読みやすさが格段に上がります。
逆引き早見表:やりたいことからコマンドを引く
| やりたいこと | コマンド | 表示 | 条件・備考 |
|---|---|---|---|
| 左辺を右辺で定義する | \coloneqq |
$\coloneqq$ | KaTeX対応。LaTeXでは mathtools 推奨 |
素の := をスペーシング正しく |
\mathrel{:=} |
$\mathrel{:=}$ | pagetoolsなしの代替 |
| 定義・合同・恒等 | \equiv |
$\equiv$ | 標準コマンド、KaTeX対応 |
| 三角付き等号(工学系) | \triangleq |
$\triangleq$ | KaTeX対応 |
| defを等号の上に載せる | \overset{\text{def}}{=} |
$\overset{\text{def}}{=}$ | KaTeX対応 |
| 近似的な定義 | \doteq |
$\doteq$ | KaTeX対応 |
| 合同(整数論) | a \equiv b \pmod{n} |
$a \equiv b \pmod{n}$ | \equiv の合同用法 |
| 右辺を左辺で定義(逆向き) | \eqqcolon |
$\eqqcolon$ | KaTeX対応 |
| 比例 | \propto |
$\propto$ | KaTeX対応 |
| 分布に従う | \sim |
$\sim$ | KaTeX対応 |
| 近似 | \approx |
$\approx$ | KaTeX対応 |
| 写像の対応 | \mapsto |
$\mapsto$ | KaTeX対応 |
細かい説明に入る前に、全コマンドをここから引けるようにしました。各行の詳細は以降のセクションで丁寧に解説します。
1. なぜ定義記号が必要か
数学や工学の文書では「$=$ を使う場面」が大きく2種類あります。
① 主張としての等号(等式):導出・計算の結果として両辺が等しいことを述べる。
$$ (a + b)^2 = a^2 + 2ab + b^2 $$
これは展開という計算で証明できる等式です。
② 定義としての等号:新しい記号を導入し、その意味を右辺で取り決める。
$$ n! \mathrel{:=} n \cdot (n-1) \cdot (n-2) \cdots 1 $$
こちらは「$n!$ をそう定める」という宣言であり、証明は不要です。
普通の $=$ を両方の場面で使うことは文法上は間違いではありません。しかし、長い論文を読む読者にとっては「この等式は導かれたものか、定義なのか」が瞬時に判断できることが大きな助けになります。特に変数が多い分野(機械学習、制御工学、信号処理)では、定義記号を使う習慣が定着しています。
ここで自然な疑問が浮かびます——では定義記号にはどんな種類があり、何を使えばよいのでしょうか。次のセクションで最も一般的な $:=$ から順に見ていきます。
2. := の書き方(coloneqq / mathrel)
直感:コロンは「定義される側」を指す
$:=$ の読み方は「コロン・イコール」または「is defined as(定義されるは)」です。コロン : が左側にある、つまり左辺が定義される側だというのが規則です。逆に =: と書けば右辺が定義される側になります(後述)。
$$ f(x) \mathrel{:=} x^2 + 1 $$
これは「$f(x)$ を $x^2 + 1$ と定義する」という意味です。
KaTeX での書き方
このブログで使っているKaTeXでは、\coloneqq コマンドが利用できます。
$$ f(x) \coloneqq x^2 + 1 $$
$$
f(x) \coloneqq x^2 + 1
$$
\coloneqq は KaTeX に標準で対応しています。LaTeX(PDFコンパイル環境)では mathtools パッケージが必要ですが、KaTeX では追加パッケージなしで動作します。
素打ち := の問題と mathrel による修正
LaTeX/KaTeXの数式モードで : と = をそのまま並べると、: が句読点扱い、= が関係演算子として扱われ、両者の間に意図しない空白が入ります。
% NG:スペーシングが崩れる
$f(x) := x^2 + 1$
% OK:mathrel で関係記号として登録する
$f(x) \mathrel{:=} x^2 + 1$
% 推奨:coloneqq を使う
$f(x) \coloneqq x^2 + 1$
\mathrel{:=} は := 全体を「関係記号(rel)」として LaTeX に認識させることで、前後の余白を適切に調整します。\coloneqq も同様の効果を持ちます。どちらを使っても表示結果は同じです。
$$ f(x) \coloneqq x^2 + 1 \quad \text{(推奨)} $$
逆向き =: の書き方
定義の方向が逆になる =: は \eqqcolon で書けます。これは「右辺を左辺で定義する」ときに使います。
$$ n \cdot (n-1) \cdots 1 \eqqcolon n! $$
$$
n \cdot (n-1) \cdots 1 \eqqcolon n!
$$
使用頻度は := より格段に低いですが、「右辺の記号を新たに名付ける」文脈では見られます。

この図が示すように、コロンが付いた側(:= では左、=: では右)が新たに定義される側です。この対称性を覚えておくと混同しません。
:= の基本を押さえたところで、次は数学界で最もよく見る定義記号 $\equiv$ の多面的な意味に進みます。
3. ≡ の3つの意味(equiv)
\equiv が出力する三本線の記号 $\equiv$ は、文脈によって3種類の意味を持つ最も注意が必要な定義記号です。

図の3枚パネルで意味の違いが一目でわかります。左から順に説明します。
① 定義に使われる ≡(数学の一部の流儀)
数学の教科書や論文の一部では $\equiv$ を定義記号として使う慣習があります。
$$ |x| \equiv \begin{cases} x & (x \geq 0) \\ -x & (x < 0) \end{cases} $$
ただし、これは普遍的な流儀ではなく分野・著者依存です。後述の合同の意味と混同される可能性があるため、定義には $:=$ か $\triangleq$ を使うほうが安全です。
② 合同(整数論・時計算術)
整数論で最もよく使われる $\equiv$ の意味です。$a \equiv b \pmod{n}$ は「$a$ と $b$ を $n$ で割った余りが同じ」ことを意味します。
$$ 7 \equiv 1 \pmod{3} $$
$$
7 \equiv 1 \pmod{3}
$$
7を3で割ると余り1、1を3で割っても余り1なので、これは正しい合同です。情報工学のハッシュ関数や暗号理論でも頻出します。
\pmod は \pmod{n} という単独のコマンドで、自動的に “(mod n)” 形式に整形されます。
③ 恒等的に等しい
$f(x) \equiv 0$ のように書かれた場合、「すべての $x$ に対して $f(x) = 0$ が成り立つ」という恒等的な等しさを意味します。「$f$ がたまたまゼロになる」のではなく「$f$ は定数関数として常にゼロ」というニュアンスです。
$$ \sin^2 x + \cos^2 x \equiv 1 \quad (\forall x) $$
$$
\sin^2 x + \cos^2 x \equiv 1 \quad (\forall x)
$$
$\equiv$ の右辺に $\forall x$ の注記を添えると意図が明確になります。三角関数の恒等式(identity)の表記として自然です。
まとめ: $\equiv$ を見たら文脈を確認する習慣をつけましょう。整数論の文脈なら合同、関数が主語なら恒等、数学の教科書なら定義の場合も。論文で定義を表したい場合は $:=$ か $\triangleq$ を使うほうが誤解の余地が少なくなります。
$\equiv$ の3つの顔を押さえたところで、工学系で愛用される $\triangleq$ とその仲間たちに進みましょう。
4. ≜ と def over = の書き方(triangleq / overset)
≜(三角イコール): \triangleq
「三角付き等号」と呼ばれる $\triangleq$ は、工学系の論文・教科書で「定義により等しい」を意味するために使われます。三角形が「定義(definition)の頭文字 D の変形」に由来するとも言われています。
$$ e \triangleq \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n $$
$$
e \triangleq \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n
$$
\triangleq は KaTeX で標準サポートされています。LaTeX では amssymb パッケージに含まれます。
% LaTeX の場合(プリアンブルに追記)
\usepackage{amssymb}
% 本文で使用
$e \triangleq \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n$
def over =(def を等号の上に載せる): \overset{\text{def}}{=}
数学的な厳密さを好む著者に人気の表記です。等号の上に「def」という文字を小さく載せることで、「この等号は定義による」と明示します。
$$ \mu \overset{\text{def}}{=} \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N x_i $$
$$
\mu \overset{\text{def}}{=} \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N x_i
$$
\overset は KaTeX で対応しています。\stackrel でも同様の結果が得られます。
$$ \sigma^2 \stackrel{\text{def}}{=} \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N (x_i – \mu)^2 $$
$$
\sigma^2 \stackrel{\text{def}}{=} \frac{1}{N}\sum_{i=1}^N (x_i - \mu)^2
$$
\stackrel{上}{下} は「下の記号の上に上の記号を載せる」汎用コマンドです。
\doteq(点線イコール)
$\doteq$ は等号の上に点が乗った記号で、近似的な意味での定義や「ほぼ等しい定義」に使われます。頻度は $:=$ や $\triangleq$ より低く、物理学の近似式などで見られます。
$$ f(x) \doteq f(a) + f'(a)(x – a) $$
$$
f(x) \doteq f(a) + f'(a)(x - a)
$$
\defeq(パッケージが必要)
\defeq というコマンドも存在しますが、これは標準の LaTeX にも KaTeX にも含まれておらず、stix や unicode-math といった特殊パッケージが必要です。KaTeX ではサポートされていないため、ブログでは使えません。代わりに \coloneqq か \overset{\text{def}}{=} を使いましょう。
各記号の外観と意味を整理したところで、定義記号と紛らわしい「意味を持つ関係記号」を見ていきましょう。
5. 関連する「意味を持つ等号・関係記号」の使い分け
定義記号と同様に、論文中で「単なる等号以外」の意味を持つ関係記号も多数あります。定義記号との混同を避けるためにも、一緒に整理しておきます。

図のカード形式で6つの記号が整理されています。それぞれをコードと意味の両面から解説します。
\propto(∝ 比例)
$$ y \propto x^2 \quad \Leftrightarrow \quad y = kx^2 \ (\exists k \neq 0) $$
$$
y \propto x^2
$$
「$y$ は $x^2$ に比例する」という関係を表します。比例定数を省いて構造だけ示したい場合に使います。機械学習では事後分布の導出で頻出します($P(\theta|x) \propto P(x|\theta)P(\theta)$)。
\sim(~ 分布に従う)
$$ X \sim \mathcal{N}(\mu, \sigma^2) $$
$$
X \sim \mathcal{N}(\mu, \sigma^2)
$$
「$X$ は正規分布 $\mathcal{N}(\mu, \sigma^2)$ に従う」という確率論の記法です。統計・機械学習で最も頻出する $\sim$ の使い方で、「似ている(near)」の意味ではないことに注意してください。
\approx(≈ 近似)
$$ \pi \approx 3.14159 $$
$$
\pi \approx 3.14159
$$
「近似的に等しい」を表します。テイラー展開の打ち切り値や数値計算の結果に使います。$\doteq$ との違いは、\approx が「数値的な近似」、\doteq が「近似的な定義」というニュアンスの差です。
\cong(≅ 合同 / 同型)
$$ \triangle ABC \cong \triangle DEF \quad \text{(幾何学の合同)} $$
$$ G / H \cong K \quad \text{(群の同型)} $$
$$
G / H \cong K
$$
幾何学では図形の合同(形と大きさが同じ)、代数学では同型(構造が同じ)に使います。整数論の合同 $\equiv$ と混同しないよう注意してください。
\mapsto(↦ 写像の対応)
$$ f : x \mapsto x^2 \quad \text{($x$ を $x^2$ に写す)} $$
$$
f : x \mapsto x^2
$$
写像 $f$ が元 $x$ を像 $x^2$ に対応させることを表します。コロン : と組み合わせて「$f$ は $x$ を $x^2$ に写す関数である」と書くのが慣例です。機械学習の特徴マップやカーネルの記述でよく見られます。
これらの関係記号と定義記号を組み合わせると、複雑な数式も意図を明確に伝えられます。次は、分野によって慣習がどう違うかを整理します。
6. どれを使うべきか——分野慣習のガイド
「定義記号はどれを使えばよいか」は分野と文書の性格によります。以下に主要な慣習をまとめます。

図を見ると、:= が最も幅広い分野で使われていることがわかります。特定分野では ≡(数学)や tri=(工学系)も多用されますが、:= が使われない分野はほぼありません。
数学一般
:= と \equiv(定義の意味で)の両方が見られます。多くの現代数学の教科書(特に欧米)では := が定義記号として定着しています。\equiv を定義に使う場合は文脈で分かるように注意書きをする著者もいます。
機械学習・最適化
:= が標準です。NeurIPS・ICML・ICLR などの主要カンファレンス論文でも := が最もよく見られます。
θ* := argmin_θ L(θ) ← 最適パラメータの定義
工学・制御工学
\triangleq($\triangleq$)の使用頻度が高い分野です。状態変数・伝達関数の定義に使われます。
x_e ≜ x - x_0 ← 平衡点まわりの偏差の定義
物理学
\equiv を恒等式(常に成り立つ等式)の意味で多用します。定義には := か \triangleq が使われることもあります。
KaTeX/ブログ環境での推奨
このブログのような KaTeX 環境では、:=(\coloneqq か \mathrel{:=}) が最も安全で無難な選択肢です。\triangleq も KaTeX で対応していますが、\defeq は使えません。
分野慣習が整理できたところで、実際に KaTeX で使える記号の対応表を確認しましょう。
7. KaTeX互換表
本ブログ(KaTeX使用)での各記号の対応状況をまとめます。

| コマンド | 表示 | KaTeX対応 | 備考 |
|---|---|---|---|
\coloneqq |
$\coloneqq$ | 対応 | 追加パッケージ不要(KaTeXでは) |
\eqqcolon |
$\eqqcolon$ | 対応 | 逆向きコロン等号 |
\equiv |
$\equiv$ | 対応 | 標準コマンド |
\triangleq |
$\triangleq$ | 対応 | amssymbに相当(KaTeX標準) |
\overset{\text{def}}{=} |
$\overset{\text{def}}{=}$ | 対応 | overset は汎用コマンド |
\stackrel{\text{def}}{=} |
$\stackrel{\text{def}}{=}$ | 対応 | stackrel も同様 |
\doteq |
$\doteq$ | 対応 | 点付き等号 |
\defeq |
— | 非対応 | stix/unicode-math パッケージ必要 |
\propto |
$\propto$ | 対応 | 比例記号 |
\sim |
$\sim$ | 対応 | 分布記号 |
\approx |
$\approx$ | 対応 | 近似記号 |
\cong |
$\cong$ | 対応 | 合同・同型 |
\mapsto |
$\mapsto$ | 対応 | 写像の対応 |
図の表から、\defeq を除くほぼすべての定義・関係記号が KaTeX で問題なく表示されることがわかります。LaTeX(PDF出力)の場合は \coloneqq と \eqqcolon に mathtools パッケージが必要な点が唯一の注意事項です。
8. よくある間違いと修正
間違い1:素打ち := でスペーシングが崩れる
これが最もよくある間違いです。
% NG:: と = が別々の記号として扱われ間隔が開く
$f := 2x$
% OK:coloneqq を使う
$f \coloneqq 2x$
% OK:mathrel で修正する
$f \mathrel{:=} 2x$

図の左が NG(: と = の間隔が不自然)、右が OK(:= 全体が一体の関係記号として扱われる)です。\coloneqq を使えばこの問題は完全に解決します。
間違い2:\equiv を定義に使うと合同と紛らわしい
整数論や離散数学の論文で $\equiv$ を定義の意味で使うと、読者が合同の意味と取り違える可能性があります。
% 定義には := を使うほうが明確
$n! := n \cdot (n-1) \cdots 1$ % 推奨
$n! \equiv n \cdot (n-1) \cdots 1$ % 合同と紛らわしい
特に整数論の文書では \equiv は合同専用に取っておき、定義には := を使うことを強くお勧めします。
間違い3:\defeq をそのまま使う
\defeq は LaTeX の標準パッケージにも KaTeX にも含まれていません。
% KaTeXでは表示されない(未対応コマンド)
$f \defeq x^2$
% 代わりにこちらを使う
$f \coloneqq x^2$
$f \overset{\text{def}}{=} x^2$
間違い4:\triangleq と \Delta= を混同する
\triangleq という専用コマンドがある一方、\Delta = や \triangle = のように個別の記号を並べると見た目が異なります。
% 正しい三角イコール
$e \triangleq \lim_{n\to\infty}(1 + 1/n)^n$
% Delta記号と等号を別々に並べたもの(別物になる)
$e \Delta= \lim_{n\to\infty}(1 + 1/n)^n$ % 避ける
\triangleq は等号の上に小さい三角が載った単一の記号として定義されているので、専用コマンドを使いましょう。
Tips:自分でマクロを定義する
論文などで同じ記法を何度も使う場合は、LaTeX のプリアンブルでマクロを定義すると便利です。
% プリアンブルに追記
\usepackage{mathtools}
\newcommand{\defeq}{\coloneqq} % \defeq を使えるようにする
\newcommand{\eqdef}{\eqqcolon} % 逆向きも定義
% 本文で使用
$f \defeq x^2 + 1$
$x^2 + 1 \eqdef f$
ただし KaTeX/ブログでは \newcommand のサポートが限定的なため、毎回 \coloneqq や \overset{\text{def}}{=} と書くのが確実です。
9. 選択フローチャート
「どの定義記号を使えばよいか」の判断が一瞬でできるフローチャートです。

フローチャートを読み解くと、判断のポイントは3つに絞られます。第一に「KaTeX/ブログ環境か否か」—— KaTeX なら \coloneqq が最も確実です。第二に「工学系論文か否か」—— 工学系なら \triangleq が慣習に沿っています。第三に「それ以外」—— 数学・ML では := が汎用的で最も誤解が少ない選択肢です。また、\equiv は合同と紛らわしい場合があることを常に意識しておきましょう。
まとめ
本記事では、「定義する」ことを表す記号を LaTeX/KaTeX でどう書くかをリファレンス形式で解説しました。
| 記号 | コマンド | 一言説明 |
|---|---|---|
| $\coloneqq$ | \coloneqq |
最も汎用的な定義記号。分野を問わず通じる |
| $\equiv$ | \equiv |
定義・合同・恒等の3用途。文脈確認が必要 |
| $\triangleq$ | \triangleq |
工学系の定義記号。amssymb / KaTeX 標準 |
| $\overset{\text{def}}{=}$ | \overset{\text{def}}{=} |
“def” を等号の上に載せる。厳密さ重視 |
| $\doteq$ | \doteq |
近似的な定義に使われる |
迷ったら \coloneqq、工学系論文なら \triangleq、KaTeX ブログでも \coloneqq と \triangleq はそのまま使える——これが記事全体の要点です。
素打ちの := は KaTeX でも LaTeX でもスペーシングが崩れるので、\coloneqq か \mathrel{:=} に置き換える習慣をつけましょう。また \equiv は定義の意味で使うと合同と紛らわしくなる場面があるため、定義専用には := か \triangleq を使うほうが安全です。
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