カーネル法について学習すると必ず登場するグラム行列(Gram Matrix)について、今回は解説していきます。
グラム行列は、線形回帰モデルで登場するような、デザイン行列の特殊なパターンと言えます。デザイン行列についてはこちらをご覧ください。
グラム行列の定義
グラム行列とは、N個のデータ$\bm{X} = \{\bm{x_1}, \bm{x_2}, \bm{x_3}, \cdots \bm{x_{N-1}} ,\bm{x_N} \}$と、それに対応するカーネル関数$k = (\cdot, \cdot)$に対して定義される、次の$N \times N$行列です。
グラム行列(Gram Matrix)の定義
カーネル関数をkとした時、N個のデータ$\bm{X} = \{\bm{x_1}, \bm{x_2}, \bm{x_3}, \cdots \bm{x_{N-1}} ,\bm{x_N} \}$に対するグラム行列$\bm{K}$は、次にように定義される。
\begin{equation} \begin{split} \bm{K} = \begin{pmatrix} k(\bm{x_1}, \bm{x_1}) & \cdots k(\bm{x_1}, \bm{x_N}) \\ \vdots & \vdots \\ k(\bm{x_N}, \bm{x_1}) & \cdots k(\bm{x_N}, \bm{x_N}) \\ \end{pmatrix} \end{split} \end{equation}
グラム行列の性質
(1)で定義されるグラム行列の性質を次にまとめます。
グラム行列の性質
- 半正定値行列である
- 実対称行列である
- グラム行列の固有値は 0以上である