一般的に、任意のガウス分布に従う確率変数 $X$において、線形変換$\bm{A}X + \bm{b}$を行っても、変換後の分布もガウス分布になることが知られています。
この事実は、ガウス過程回帰や線形動的モデル、カルマンフィルタなど機械学習の応用テーマの導出等に、非常に多く登場する変換ですので、この性質を理解していくことは非常に重要です。
タイトルは多変量正規分布とかきましたが、この線形変換の性質は、通常の1次元の正規分布でも成り立つ性質です。
ガウス分布(多変量正規分布)の線形変換
まず、最初にガウス分布が、線形変換によってどのようなガウス分布になるのか、結論を示します。
ガウス分布の線形変換 の公式
ある確率変数$X$が次のガウス分布に従う時、
\begin{equation} X \sim \mathcal{N}(\bm{\mu}, \Sigma) \end{equation}
$X$を$AX + b$の線形変換した分布は(3)式のようになる。
\begin{equation} AX + b \sim\mathcal{N}(A\bm{\mu} + b, A\Sigma A^T) \end{equation}
ガウス分布に従う$X$において、$AX + b$の線形変換(アフィン変換)を施すと、新しいガウス分布の平均$\mu_{new} = \bm{\mu} + b$、新しい分散共分散$\sum_{new} = A\sum A^T$になります。
ガウス分布の線形変換がガウス分布になる証明
証明には、確率変数の変数変換を用いた手法があります。
少し長くなるので、証明に関しては後日追記とします。