空間ダイバーシティのアンテナ間隔はなぜ0.5λ?空間相関の理論から導出

無線機器のデータシートやWi-Fiルータの内部写真を見ると、2本のアンテナが「半波長(0.5λ)離して置く」という設計をよく目にします。なぜ0.5λなのでしょうか。もっと近づけてはいけないのでしょうか。逆に、携帯基地局のアンテナは数メートルも離して設置されることがあります。この「間隔の使い分け」には、はっきりとした物理的・数学的な理由があります。

鍵は空間相関です。空間ダイバーシティ(複数アンテナで受けてフェージングに強くする技術)が効くのは、各アンテナが受ける電波の落ち込みが「互いに独立」なときだけです。アンテナが近すぎると2本はほとんど同じ電波を受け、同時に深い谷に落ちてしまい、ダイバーシティの効果が消えてしまいます。空間相関の理論を理解すると、次のような場面で正しい設計判断ができます。

  • IoT・Wi-Fi端末のアンテナ配置: 限られた基板サイズで2本のアンテナをどれだけ離せばダイバーシティが効くか、半波長則の根拠を持って設計できます。
  • 携帯基地局のアレイ設計: なぜ端末は0.5λで十分なのに、基地局では10λ近く離す必要があるのか——到来角の広がりという観点から理解できます。

本記事では、空間相関係数を定義し、一様到来角のモデルから相関関数 $\rho = J_0(2\pi d/\lambda)$ をベッセル関数を使って丁寧に導出します。そして、最初のゼロ点が約0.38λであること、実用値0.5λとの関係、相関がダイバーシティ利得をどれだけ削るかを、Pythonシミュレーションで確認します。

本記事の内容

  • 空間ダイバーシティの前提(ブランチ間の低相関)と空間相関係数の定義
  • 一様到来角モデルでの相関関数 $\rho = J_0(2\pi d/\lambda)$ の導出
  • $J_0$ の最初のゼロ点0.38λと実用値0.5λの関係
  • 相関がMRCのダイバーシティ利得に与える影響のシミュレーション
  • 基地局で10λ必要な理由(到来角広がり)と偏波ダイバーシティという代替
  • 周波数別(920MHz〜28GHz)の間隔の表とPython計算

前提知識

この記事を読む前に、以下の記事を読んでおくと理解が深まります。

空間ダイバーシティの前提 — なぜ「独立」が必要か

空間ダイバーシティの仕組みを一言でいえば「離れた複数の場所で同じ信号を受け、一番良い受信状態を活かす」ことです。前提記事で見たように、$N$ 本のアンテナが独立にフェージングするなら、全部が同時にディープフェードに落ちる確率は $p^N$ と激減します。

しかし、この「独立」は無条件には成り立ちません。2本のアンテナが波長に対して十分離れていなければ、2本はほとんど同じ電波を受けます。すると片方が谷に落ちるとき、もう片方も同時に落ちます。これではアンテナを2本にした意味がありません。

散乱体に囲まれた2本のアンテナにあらゆる方向から散乱波が到来する空間ダイバーシティの概念図

図のように、端末は多数の散乱体(建物・壁・人体)に囲まれ、あらゆる方向から散乱波が到来します。2本のアンテナが受ける合成波の「似ている度合い」は、アンテナ間隔 $d$ によって決まります。間隔が小さいと2本は似た波を受け(高相関)、間隔が大きいと別々の波を受けます(低相関)。

そこで問題は「どれだけ離せば2本のフェージングが十分に独立とみなせるか」です。これを定量化するのが空間相関係数です。次節でこれを定義しましょう。

空間相関係数の定義

2本のアンテナが受信する複素チャネル係数を $h_1, h_2$ とします。両者がどれだけ似ているかを測るのが空間相関係数です。複素相関係数は次のように定義されます。

$$ \rho_h = \frac{E[h_1 h_2^*]}{\sqrt{E[|h_1|^2]\,E[|h_2|^2]}} $$

分子の $E[h_1 h_2^*]$ は2本のチャネルの相互相関で、分母は各チャネルの強さで正規化する項です。$\rho_h$ の絶対値が1に近いほど2本は似ており(独立ではない)、0に近いほど独立に近いことを意味します。ここで一点注意すべきは、$h_1, h_2$ が複素数なので $\rho_h$ も一般に複素数になることです。複素相関の位相は2本のアンテナの幾何学的な配置(どちらが波源に近いか)を反映し、ダイバーシティの効きに本質的なのはその絶対値 $|\rho_h|$ です。以降では主に $|\rho_h|$ がどれだけ小さくできるかに注目します。

なお、実務では振幅(包絡線)$|h_1|, |h_2|$ そのものの相関を測る包絡線相関係数もよく使われます。後で見るように、レイリー環境では包絡線相関は複素相関のほぼ2乗 $|\rho_h|^2$ になり、複素相関より小さな値を取ります。どちらを使うかで数値が変わるので、文献を読むときは定義に注意してください。

直感的に押さえておきたいのは、相関がアンテナ間隔だけでなく到来波の方向分布にも依存することです。あらゆる方向から均等に波が来る環境(端末)と、特定の方向からだけ来る環境(高所の基地局)では、同じ間隔でも相関がまったく違います。まずは最も基本的な「一様到来角」の場合を考え、そこから相関関数の具体的な形を導きます。

ここで自然な疑問が生まれます——一様到来角のとき、相関 $\rho_h$ はアンテナ間隔 $d$ の関数としてどんな式になるのでしょうか。次節で導出します。

相関関数 ρ=J₀(2πd/λ) の導出

ゴールは「一様到来角のとき、空間相関が $\rho = J_0(2\pi d/\lambda)$ になる」ことを示すことです。$J_0$ は第1種0次ベッセル関数です。

1本の到来波がつくる位相差

まず、ある1つの方向 $\theta$ から平面波が到来する場合を考えます。2本のアンテナは間隔 $d$ で並んでいます。波がアンテナ1とアンテナ2に届く経路の長さには差が生じます。

到来波の角度による2アンテナ間の経路差d cosθと位相差の幾何図

図から、到来角 $\theta$ の波に対する2アンテナ間の経路差は $d\cos\theta$ です。これを波長 $\lambda$ で割って $2\pi$ を掛けると位相差になります。

$$ \Delta\phi(\theta) = \frac{2\pi}{\lambda} d\cos\theta $$

つまり、アンテナ2の受信信号はアンテナ1に対して $e^{j\Delta\phi(\theta)} = e^{j\frac{2\pi d}{\lambda}\cos\theta}$ だけ位相が回ります。

あらゆる方向の波を平均する

実際の散乱環境では、波は1方向だけでなく、あらゆる方向 $\theta$ から到来します。一様到来角モデル(Clarke/Jakesモデル)では、到来角 $\theta$ が $[0, 2\pi)$ で一様分布すると仮定します。各方向の波の寄与を足し合わせると、2本のチャネルの相互相関は、各到来角での位相差を方向について平均したものになります。

$$ \rho_h = E_\theta\left[e^{j\frac{2\pi d}{\lambda}\cos\theta}\right] = \frac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi} e^{j\frac{2\pi d}{\lambda}\cos\theta}\, d\theta $$

ここで、記号を簡単にするため $z = \dfrac{2\pi d}{\lambda}$ とおきます。すると、

$$ \rho_h = \frac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi} e^{j z\cos\theta}\, d\theta $$

ベッセル関数の積分表示を使う

この積分こそが、第1種0次ベッセル関数 $J_0$ の有名な積分表示です。$J_0$ は次のように定義されます。

$$ J_0(z) = \frac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi} e^{j z\cos\theta}\, d\theta $$

念のため、この積分が実数になることを確認しましょう。$e^{jz\cos\theta} = \cos(z\cos\theta) + j\sin(z\cos\theta)$ と分けると、虚部の積分は、

$$ \frac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi} \sin(z\cos\theta)\, d\theta = 0 $$

となります。これは $\theta \to 2\pi – \theta$ の対称性で被積分関数が打ち消し合うためです。残る実部だけが、

$$ J_0(z) = \frac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi} \cos(z\cos\theta)\, d\theta = \frac{1}{\pi}\int_0^{\pi} \cos(z\cos\theta)\, d\theta $$

となり、これが $J_0(z)$ の標準的な積分表示そのものです。したがって、$z = 2\pi d/\lambda$ を戻すと、

$$ \boxed{\,\rho_h = J_0\!\left(\frac{2\pi d}{\lambda}\right)\,} $$

が得られます。導出完了です。一様到来角という単純な仮定から、相関がアンテナ間隔の関数としてベッセル関数で表せることがわかりました。この式が、半波長則の根拠そのものです。

導出した相関関数を実際にグラフにして、どのくらいの間隔で相関が0になるのかを見ていきましょう。

J₀の最初のゼロ点0.38λと実用値0.5λ

導出した $\rho = J_0(2\pi d/\lambda)$ を間隔 $d/\lambda$ の関数としてプロットします。

空間相関係数ρ=J0(2πd/λ)のグラフ。最初のゼロ点0.38λと実用値0.5λ

$d=0$(同じ位置)では相関は1です。間隔を広げると相関は急速に落ち、最初のゼロ点に到達します。$J_0(x)$ の最初の零点は $x \approx 2.405$ なので、相関が0になる間隔は、

$$ \frac{2\pi d}{\lambda} = 2.405 \quad\Rightarrow\quad \frac{d}{\lambda} = \frac{2.405}{2\pi} \approx 0.38 $$

つまり0.38λ離せば、一様到来角環境では相関がちょうど0になります。では、なぜ実務では「0.5λ」がよく使われるのでしょうか。0.5λでの相関を計算すると、

$$ \rho = J_0(\pi) \approx -0.30 $$

絶対値で0.3程度です。相関は厳密に0ではありませんが、後で見るようにダイバーシティ利得の劣化はごくわずかです。0.5λ(半波長)は計算もしやすく、ちょうど0.38λの少し先で相関の絶対値が低い領域に入るため、設計の目安として広く使われています。0.5λなら確実に「最初のゼロ点を越えた低相関領域」に入る、という安全マージンの意味もあります。

ここで使った $J_0$ という関数そのものを少し見ておきましょう。

第1種0次ベッセル関数J0(x)のグラフと零点

$J_0(x)$ は減衰しながら振動する関数で、$x \approx 2.405, 5.520, 8.654, \dots$ で零点を取ります。空間相関に当てはめると、これらの零点に対応する間隔($d/\lambda \approx 0.38, 0.88, 1.38, \dots$)で相関が再び0になることを意味します。間隔を広げるほど相関は0付近で小さく振動し、確実に低相関になっていきます。

ここまでは「相関がどれだけになるか」を見ました。では、相関が0でないとダイバーシティの効果はどれだけ損なわれるのでしょうか。次に確かめます。

相関がダイバーシティ利得に与える影響

相関が完全に0でなくても、ある程度低ければダイバーシティは効きます。これを定量的に確認するため、ブランチ間相関 $\rho$ を変えながら、2ブランチMRCの出力SNR分布(アウテージ確率)をシミュレーションします。

ブランチ間相関がN=2 MRCのアウテージ確率を劣化させる様子

$\rho=0$(無相関・理想、赤)から相関を上げると曲線が右上に動き、アウテージ確率が悪化します。注目すべきは、$\rho=0.5$(オレンジ)でも無相関のときとほとんど変わらない点です。一方 $\rho=0.9$(高相関、紫)になると、1ブランチ(破線)に近づいてしまい、ダイバーシティ効果がほぼ消えています。これが「アンテナを近づけすぎると意味がない」ことの定量的な裏づけです。

相関とダイバーシティ利得の関係を、別の角度からも見てみましょう。10%アウテージ時の出力SNRを相関の関数として描きます。

ブランチ間相関に対する10%アウテージ出力SNRの低下グラフ

このグラフから重要なことがわかります。相関が0.5程度までは出力SNRの低下はごくわずか(0.5 dB程度) です。相関が0.7を超えるあたりから急に劣化が大きくなります。0.5λで $\rho \approx -0.30$(絶対値0.3)に収まることを思い出すと、0.5λ間隔は劣化のほとんど無い安全な領域にあると言えます。これが「0.5λで十分」という設計常識の根拠です。

ここまでは「一様到来角」を前提にしてきました。しかし基地局のように高所にあるアンテナでは前提が崩れます。次に、到来角の広がりが間隔にどう効くかを見ます。

到来角広がりと「基地局で10λ必要」な理由

端末は地面近くにあり、周囲の散乱体に囲まれて波があらゆる方向から到来します(一様到来角)。一方、ビルの屋上などに置かれた基地局のアンテナは、散乱体から離れた高所にあるため、波は端末のいる方向の狭い角度範囲からしか到来しません。この「到来角の広がり(角度広がり)」の違いが、必要なアンテナ間隔を大きく変えます。

到来角が狭い範囲に集中すると、2本のアンテナが受ける位相差のばらつきが小さくなり、相関がなかなか下がりません。近似的に、角度広がりの標準偏差を $\sigma_\theta$ とすると、相関は、

$$ \rho(d) \approx \exp\left[-\frac{1}{2}\left(\frac{2\pi d}{\lambda}\sigma_\theta\right)^2\right] $$

のように振る舞い、$\sigma_\theta$ が小さいほど同じ相関に到達するのに大きな $d$ が必要になります。

端末と基地局での到来角広がりの違いと低相関に必要なアンテナ間隔の比較

左(端末・一様到来)では $|\rho|<0.7$ になる間隔は $0.2\lambda$ 程度とごく小さいのに対し、右(基地局・到来角広がり5度)では同じ相関に達するのに $5\lambda$ 前後も必要です。実際の基地局では到来角広がりがさらに狭いことも多く、10λ近い間隔が要求されます。2.4 GHzなら10λは約1.25 mで、基地局アンテナが大きく離して設置されるのはこのためです。

直感的に言うと、到来角が狭いほど2本のアンテナは「ほぼ同じ方向から来る波」を受けるため、間隔を少し変えても位相差のばらつきが生まれにくく、相関がなかなか落ちません。逆に端末のように四方八方から波が来る環境では、わずかに位置をずらすだけで各方向の波の位相関係が大きく変わり、相関が急速に下がります。同じ「空間ダイバーシティ」でも、端末と基地局で必要な物理サイズが2桁も違うのは、この到来角広がりの差が原因なのです。

端末のように小型で十分な間隔が取れない機器では、別の手段が要ります。それが偏波ダイバーシティです。1本のアンテナで直交する2つの偏波を受ければ、間隔をほとんど取らずにダイバーシティが得られます。詳しくは両偏波パッチアンテナの記事を参照してください。

理論が一通り出そろいました。最後に、散乱波の重ね合わせから相関を直接シミュレーションし、導出した $J_0$ の式と一致するかを確かめます。

Pythonでの計算とシミュレーション

まず、周波数ごとに0.5λが実際に何ミリメートルになるかを計算します。設計でまず必要になる数字です。

import numpy as np

c = 3e8  # 光速 [m/s]
freqs = {"920 MHz": 920e6, "2.4 GHz": 2.4e9, "5.0 GHz": 5.0e9, "28 GHz": 28e9}
for name, f in freqs.items():
    lam = c / f
    print(f"{name}: 波長={lam*1000:.1f} mm, 0.5λ={lam*1000/2:.1f} mm")

実行すると、920 MHzで0.5λ≈163 mm、2.4 GHzで62.5 mm、5 GHzで30 mm、28 GHzでわずか5.4 mmとなります。

920MHz/2.4GHz/5GHz/28GHzの周波数別の半波長0.5λの間隔の棒グラフ

周波数が高いほど必要間隔は小さくなります。920 MHz帯のLPWA端末では16 cmものアンテナ間隔が必要で小型機器には厳しい一方、5 GHzのWi-Fiや28 GHzのミリ波では数ミリ〜3 cmで済み、複数アンテナを基板に並べやすくなります。高周波ほど多数のアンテナを密に並べられることが、ミリ波MIMOの物理的な前提になっています。

次に、導出した相関式を散乱波の重ね合わせシミュレーションで検証します。多数の散乱波をランダムな位相で足し合わせ、2本のアンテナ(間隔 $d$)の受信包絡線の相関を測ります。

import numpy as np
from scipy.special import j0

rng = np.random.default_rng(8)
Mpath = 200   # 散乱波の数
T = 4000      # 試行数
dlam_list = np.linspace(0, 2.5, 40)

sim_rho = []
for dl in dlam_list:
    ang = rng.uniform(0, 2 * np.pi, (T, Mpath))   # 到来角(一様)
    ph = rng.uniform(0, 2 * np.pi, (T, Mpath))     # 各波の初期位相
    # アンテナ1の受信複素振幅
    h1 = np.sum(np.exp(1j * ph), axis=1) / np.sqrt(Mpath)
    # アンテナ2: 位相差 2π d cosθ / λ を各波に加える
    h2 = np.sum(np.exp(1j * (ph + 2 * np.pi * dl * np.cos(ang))), axis=1) / np.sqrt(Mpath)
    sim_rho.append(np.corrcoef(np.abs(h1), np.abs(h2))[0, 1])

# 理論: 包絡線相関 ≈ J0^2(2πd/λ)
dlam = np.linspace(0, 2.5, 300)
theory = j0(2 * np.pi * dlam) ** 2
print("d=0.38λ での理論包絡線相関:", j0(2 * np.pi * 0.38) ** 2)

このシミュレーションでは、各到来波に位相差 $2\pi d\cos\theta/\lambda$ を与えて2本のアンテナの受信信号を作り、その包絡線(振幅 $|h|$)の相関を測っています。包絡線の相関は複素相関の2乗 $J_0^2(2\pi d/\lambda)$ になることが知られており、これと比較します。

散乱波シミュレーションの包絡線相関と理論J0二乗の一致

シミュレーション値(赤い点)が理論曲線 $J_0^2(2\pi d/\lambda)$(青線)の上にきれいに乗っています。$d/\lambda \approx 0.38$ で相関が0に落ち、その後は小さく振動します。一様到来角の仮定から導いた $J_0$ の式が、散乱波の物理シミュレーションと一致することが確認できました。

まとめ

本記事では、空間ダイバーシティのアンテナ間隔がなぜ0.5λなのかを、空間相関の理論から導出しました。

  • 前提: 空間ダイバーシティはブランチ間が低相関のときだけ効く。近すぎると2本が同時にフェードする
  • 相関の導出: 一様到来角では、経路差 $d\cos\theta$ による位相差を方向平均すると、ベッセル関数の積分表示から $\rho = J_0(2\pi d/\lambda)$ が得られる
  • 0.38λと0.5λ: $J_0$ の最初の零点は $d/\lambda \approx 0.38$。実用値0.5λでは $\rho = J_0(\pi) \approx -0.30$ で十分低相関
  • 劣化の定量化: 相関0.5程度まではMRC利得の低下はわずか。0.7を超えると急激に劣化する
  • 基地局で10λ必要な理由: 高所では到来角広がりが狭く、同じ低相関に達するのに桁違いに大きな間隔が要る
  • 代替策: 端末では間隔が取れないため、偏波ダイバーシティで間隔ゼロでも独立な2ブランチを得る

空間相関の理論は、アンテナアレイ設計・MIMOのチャネル容量・ビームフォーミングの基礎です。「どれだけ離せば独立か」を $J_0$ で評価できると、端末からミリ波基地局まで一貫した設計判断ができるようになります。

次のステップとして、以下の記事も参考にしてください。